山中油店の店頭では、オリーブオイルをはじめ、様々な油を試食していただけます。
「味見して、分かるものなの?」
「そんなに違いはないのでは?」
と思われる方がほとんどで、
「えー?油だけ食べるの?」
と少々懸念される方が大多数です。
実際にお試しいただくと、
「うわ!ほんまに違うんや!」
と驚きを実感していただけます。
写真のグラスは、オリーブオイルのテイスティングに使われるものです。
では、2種類のエキストラヴァージンオリーブオイルをテイスティングしてみましょう。
初めは、Zefiro(ゼフィーロ)、イタリアの南の島、シチリア州のオイルです。
青いトマトのようなさわやかなグリーン系と相まって、フルーティーな香りがするのが特長です。
味わいは、香りでも感じた青いトマトのようなすがすがしさが広がります。
のど越しにピリピリと感じる刺激が心地よく長く続きます。
「ピリピリするけど大丈夫?」という質問もよく受けます。
はい、大丈夫! これは、抗酸化物質であるポリフェノールが含まれているからなんです。
後味に青リンゴのようなすっきり感が残ります。
ゼフィーロはシチリア州の北西部、トラーパニが産地です。
使用品種はシチリア特産の「チェラスオーラ」種と「ノチェッラーラ デル べリーチェ」種。
こちらのオーナーのピエールパオロ氏は一年のほとんど、家でのランチは、ゼフィーロを使ったトマトソースのパスタなんだそうです。
そう、ゼフィーロは夏野菜におすすめのオイルです。
もうひとつ、テイスティングしてみましょう。
同じくイタリアの、mimi coratina(ミミ・コラティーナ)南部プーリア州のオイルです。
「コラティーナ」というのが使用している品種の名前です。
深い緑を感じさせる香りは、すでにゼフィーロとの違いを感じます。
口に含むと、苦みと辛味がやってきます。
しばらくするとその苦みや辛味が、重厚なまろやかさに変化していきます。
「苦み」と聞くと敬遠されがちですが、味わいに深みがあるのです。
万願寺唐辛子のような甘苦さが、とても心地よいのです。
mimi はイタリア地図のかかと、プーリアの州都バーリの近くにある比較的歴史の新しい搾油所ですが、非常に優秀なオイルを算出することで世界的に高い評価を受けています。
ただ、「苦いと使いにくいんじゃない?」と思われるかもしれません。
イタリア人のおすすめは「アーティチョークやジビエに」。
そんな食材はなかなかお目にかかれません。
でも、心配ご無用。
プーリアでいただいた、コラティーナ種のオリーブを使った炒め物は、なすとズッキーニがたっぷり。
これならご家庭でも手軽にできそうですね。
万願寺唐辛子やししとうを苦みのあるオリーブオイルでサッと炒めてお醤油をかけて、なんて一品にもピッタリです。
ナッツのようなコクのある風味は、かぼちゃのスープにひとふりかけても美味しいですよ。
この ミミ・コラティーナも、
JOOTA Awards (東京国際エキストラヴァージンオリーブオイルコンペティション)において2年連続 金賞を受賞しています。
ちなみに、昨シーズンの mimi Coratina は、口に含んだ瞬間はそうでもないのですが、後から苦みがどんどん広がってきます。
オリーブオイルの味の違いは、品種・産地・生産者によって異なりますし、ワインのように、収穫年によっても違いが生まれます。
搾ってそのまま、それぞれの風味を楽しめる!
それが、エキストラヴァージンオリーブオイルの醍醐味なのです!
Mme K