この優しさが朝食にちょうどいい。ごまが香るおにぎりで一日の活力を!

エッセイスト  湧月りろ

 

朝一番、私の身体に元気を与えてくれるおにぎりが最近のマイブーム。

朝食は絶対に食べる派の私。子どもの頃からの習慣のせいか、どちらかというとご飯のほうがしっくりくる。

そんな私が、ここのところ毎日のように食べているのが「玉締めしぼり胡麻油」が香るおにぎり。目覚めたばかりの身体にちょうどよくて、すっかりハマっている。

 

白ご飯にお醤油をたらし、玉締めしぼり胡麻油を数滴。

香りを添えるような気持ちで落とす。

そこにかつお節や細切りの昆布など、お好みのものをふりかけてしっかり混ぜる。私は北海道の鮭節ととろろ昆布が今のお気に入りだ。

海苔は巻かないほうがごま油の香りはよく感じられるけれども、海苔とごま油の相性もまた格別なので、そこはお好みで。

 

地域や家庭によって形が違うおにぎり。
京都では昔から俵型が親しまれてきたように思う。現在は三角形も多くなり、おにぎり事情は変化が著しい

 

じつは、この玉締めしぼり胡麻油こそが、朝食におすすめしたい逸品。

ごまの粒を奥歯でプチッと噛んだ時、ふわりと広がるごまの香り。そんな“ごま自身が持つ本来の香り”を丁寧に集めて凝縮したかのような、とても上品な風味なのである。鼻の奥まで届いてからにわかに広がる奥ゆかしい香り。いわばごまのヴァージンオイルだ。

よくごま油にありがちな、口に入れたとたん強烈に感じる焙煎の香ばしさもいいのだけれど、この優しさは別物だ。ごま油好きの私だが、これは他にはない唯一無二だと思う。

だからこそ、朝に似合う。

目覚まし時計のアラーム音でむりやり起こされるのではなく、カーテン越しに射し込んだやわらかい朝の光でゆっくり目を開けたような、なんとも心地の良いクラシック音楽みたいな香りなのだ。

いい一日が始まりそうなごま油。

こんなフレーズに納得のいくごま油なんて……やっぱり他にはない。

私にとってはもう、手元に「玉締めしぼり胡麻油」がない生活なんて考えられないほど大切な存在だ。

 

この油との出合いは「油に目覚めた日 ~私にとっての山中油店さん~」でも書いているし、またエッセイで存分に触れたいと思っているけれども、このごま油の製造工程については「あぶら紀行 玉締めしぼり胡麻油編」(https://www.yoil.co.jp/column/489.php)に詳しく解説されているので、ぜひ一度お読みいただきたい。

どれほど丁寧で贅沢なものかがよくわかる。

 

さあ、今日もごま油おにぎりでエネルギーチャージ完了。

いい一日になりそうな、優しい予感に包まれている。

2025年4月20日

井戸端会議 一覧