EUの食品認証制度とレモンオリーブオイルについて

山中油店 オリーブオイルテイスター 浅原貴美子

先日、りろさんより、レモンオリーブオイルのレシピをご紹介いただきました。
その中に、「IGPレモン」と言う言葉が出てきたのにお気付きでしたでしょうか?

今日はその用語について説明させていただきます。

EU(欧州連合)では、食品の品質認証制度を定めています。

当店の人気オリーブオイルZefiro(ゼフィーロ)には、こんな赤いマークがついています。

これは「DOP= イタリア語でDenominazione di Origine Protetta=原産地呼称保護」と言うものです。
マークの上には「VALLI TRAPANESI」とあります。
Zefiroは、シチリア州の北西 部Trapani (トラーパニ)という小さな町で作られています。
このマークは、「Zefiroは栽培から、収穫してオリーブオイルを生産し、瓶詰をする、そのすべての工程がVALLI TRAPANESI=トラーパニ渓谷で行われたものである」ことを示しています。
つまり、DOPとは、産地と明確に紐づけられた商品だということです。

さて、一方の「IGP(=イタリア語で Indicazione Geografica Protetta)は「地理的表示保護」と訳されます。
「DOP」がすべての工程をその地区で行っていること、と規定しているのに対し、「IGP」は生産工程の少なくとも一段階がその地域で行われていなければならない、と規定されています。

この青いマークが「IGP」です。

マークの横には「SICILIA」と書かれています。
このマークは、シチリア州の特産品であることを示しています。
このことからわかるように、赤の「DOP」マークが特定の町や村などの原産地を指定しているのに対し、青の「IGP」は州や地方など、より大きな地域を指しています。

さて、難しい話はこのくらいにして、レモンオリーブに使われているレモンは、「LIMONE DI SORRENTO IGP」、「ソレント特産レモン」です。
大人の手のひらいっぱいになるくらいの大きさで、ごつごつしていて、皮が厚く、酸味が少ないのが特長で、リモンチェッロ(レモンの果皮を蒸留酒に漬け込んだアルコール度数がやや高いお酒で、食後酒に好まれます)やマーマレードにも使用されています。

南イタリアの太陽の恵みをたっぷり浴びたレモンの果皮をふんだんに使った贅沢なオリーブオイル、これから向かう夏に、さわやかさをいっぱい届けてくれることでしょう!

 

 

 

 

 

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