夏の疲れにトマトのお味噌汁。オリーブオイルの風味を添えて絶妙な味わいに!

エッセイスト 湧月りろ

今年もまさに酷暑の毎日。
お盆を過ぎて少しは暑さが和らいだものの、今度はそろそろ夏場の疲れが顔をのぞかせてきた。
過酷な気候に耐え忍んだこの身体、ここらで少しずつでも癒してやりたいものである。
そんな思いに駆られていたとき、おかみの浅原貴美子さんにいいことをお聞きした。
「トマトのお味噌汁にオリーブオイルをたらすととても美味しい」そうだ。
これは今すぐ試してみたい、と思い、さっそく夕食に用意した。

そもそも夏バテの大きな原因のひとつが、暑さのせいで冷たい飲み物や食べ物を摂りすぎてしまうことだ。
良くないとはわかりつつも、体温を超えるほどの気温が毎日続く昨今では仕方ない。
しかし内臓はきっと冷えているだろうな。
そろそろリカバリーしなくてはと、先日から食事のメニューに温かい一品を必ず入れるようにしていたところだった。

手軽で身体にも良いお味噌汁が打って付けだけれど、トマトを具にしたことはなかったので、これはいいな、とワクワク。
なんといっても準備が簡単。
鍋にお湯を沸かし、トマトを適当な大きさに切って投入して少し煮る。
トマトがとろりと溶け始めたところでお味噌を溶き入れれば出来上がり。

具はトマトだけでも十分に美味しいとのことで、シンプルにそうしてみた。

さっそくひと口含むと、なんとも柔らかみのある、ホッと心が落ち着く味わい。
トマトの持ち味であるほのかな酸味がなんとも良い。
まだ少し火照りの残る晩夏の身体をスッキリと静めてくれる。

いただく直前にエキストラヴァージンオリーブオイルをたらすのがポイントだ。
この数滴が、お味噌汁をごちそうに変えてくれる。
イタリアンのトマト料理にオリーブオイルは欠かすことの出来ないパートナーだが、同じ組み合わせでもこれはまたひと味違う、穏やかさを宿した相棒といった風合い。
山中油店には個性あるエキストラヴァージンオリーブオイルが揃っているので、いろんなオリーブオイルで相性を試してみるのもおもしろそうだ。
刻んだ青ジソも合うと聞いたのでプラスしてみると、ふわりと香りが口に広がり、これもまた魅力的。
途中で味変すると楽しい。

「出汁をとらないの?」とお思いかもしれないが、とらなくても大丈夫。
トマトは野菜の中でも特にグルタミン酸が多いことで知られる。
昆布出汁に含まれるグルタミン酸、かつお節などに含まれるイノシン酸、干しシイタケなどに含まれるグアニル酸の3つは、日本の出汁における「三大うま味成分」と呼ばれているが、トマトにはこのグルタミン酸だけでなく、グアニル酸も含まれていて、加熱することでうま味がさらに増加する。
つまり、トマト自体がしっかりとした出汁の役目を担ってくれるのだ。

和食に出汁のうま味を足したいとき、隠し味としてほんの少しのケチャップを足すという便利な裏ワザがあるが、これぞトマトが出汁となる証拠のようなもの。
私はトマトの味わいだけで楽しむお味噌汁が気に入ったけれど、さらに出汁の風味を足したいのであれば、かつお出汁でイノシン酸をプラスするとうま味のバランスが良いだろう。
とにかく今は暑くて台所仕事もひと苦労だから、できる限り簡単で美味しいものを用意したいところ。
出汁をとらずとも、かつお節をパラリとかけるだけでも十分だ。

もしもお嫌いでなければ、トマトの皮や種&ゼリー部分は取り除かず、ぜひそのまま使っていただきたい。
うま味成分の大半はこのゼリー部分に含まれているし、ほどよい酸味もここにある。
この酸味がオリーブオイルの風味に呼応して美味しさが深まり、味わいの層が増すのだと私は感じた。

皮は舌触りが悪いと言う人もあるが、噛むとサクサクして、むしろ心地よい食感とも捉えられるし、種もプチプチと口の中で弾んで楽しい。
とろみの元となるペクチンも、皮の裏側やゼリー部分に多く含まれる成分だ。
捨てるのはあまりにももったいない。
ぜひトマトを丸ごと味わい、栄養分もすべて取り込んで、美味しいオリーブオイルとの相性を楽しんでほしい。
心身ともに、いつもと少し違った季節のお味噌汁で夏の疲れを癒したい。

〈レシピ〉

♦トマトのお味噌汁

いつものお味噌汁の具をトマトにするだけでOK。
出汁をとらなくとも、くし切りやざく切りのトマトを沸騰したお湯で煮込み、少し柔らかくなったところで好みのお味噌をとけば出来上がり。
器によそってからエキストラヴァージンオリーブオイルをたらして召し上がれ。
好みで青ジソの細切りを添えて。

2026年8月18日

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<オリーブオイルテイスターより、ひとこと。>

京都でも町家がたくさん残る山中油店界隈では、お盆の行事~ご先祖様をお迎えして、大文字の送り火でお送りする~をきっちりされているお宅が多いようです。
これからは、地蔵盆。
夏休みもラストスパートです。

そんな時に、酸味が清々しいトマトのお味噌汁。
夏の名残や思い出をいっぱいに詰め込んだような味わいに合わせていただきたいのは、まず、「Zefiro」。
トマトの旨味を引き出してくれます。

もうひとつのおすすめは「Sole &Oro」。
若草のような新鮮さが、夏の疲れを吹き飛ばしてくれます。

前回のスイカのレシピと同様、「えごま油」や「あまに油」など、オメガ3系のオイルもおすすめです。

このお味噌汁、冷やして召し上がってもおいしいんですよ!
さらに、必須アイテムのトマトサバ缶を加え、決め手のセロリの他、タマネギなど冷蔵庫にあるお野菜をふんだんに入れる具沢山レシピも大好評!
追々、紹介させていただきます!

山中油店 オリーブオイルテイスター 浅原貴美子

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