自然の力を活かした国産エキストラヴァージンオリーブオイル「100 TIMES」

エッセイスト 湧月りろ

この度、ちょっと気になる国産のエキストラヴァージンオリーブオイルが山中油店のラインナップに加わった。
岡山県倉敷市からやってきた「100 TIMES」(ハンドレッドタイムズ)である。
倉敷といえば、川沿いに白壁の蔵屋敷と柳並木が独特の景観を作り出す「美観地区」で知られる町だが、東南部の瀬戸内海側には今も昭和の空気感を残すのどかな港町が広がる。
温暖でおだやかな瀬戸内の気候を存分に活かし、農薬や化学肥料に頼ることなく栽培されたオリーブをていねいに手摘みして作られたのが、この「100 TIMES」だ。

すっきりとした青い香りを放つこのオイルは、舌の上にのった瞬間、フワリと緑の風が吹き抜ける。
それはまるで瀬戸内の水面をすべる、やわらかな海風のようだ。
第一印象は優しいけれど、しっかりとしたグリーンテイストを持ち、さらに喉元にピリッとスパイシーなアクセントも残してくれる。
素直だけれど、味わいにはちゃんと厚みがある。
こだわりと信念を持って大切に育てられたであろうオリーブの実の美味しさが、そのままオイルの特徴として表れている。
そんな印象的なひとしずくだ。

口の中がスッキリするような、この爽やかさが淡泊な白身魚に非常によく合う。
鯛やヒラメの刺身に「100 TIMES」をたらし、海塩をふって食せば、たちまち日本酒がすすむご馳走になること請け合いだ。
白ワインにも、もちろん似合うはず。

このオリーブのふる里、岡山の海で水揚げされるスズキやサワラ、シャコ、タコなども特産品として有名だ。
カルパッチョにピッタリな魚がめじろ押しなのである。

新鮮な魚介類の旨味を引き立ててくれるこのオリーブオイルだからこそ、優しい味わいの食材との相性がとても良い。
郷土料理の「ままかり」にすることで知られるサッパは、コノシロに似て青緑色に輝く美しい魚だが、このような青背の魚の酢漬けにも「100 TIMES」をひとかけすればオリーブの風味が香り立ち、まろやかな口当たりのひと皿に早変わり。
お料理をさりげなくドレスアップしてくれる名脇役として、食卓で活躍するに違いない。

自然に寄り添い、人に寄り添うオリーブ栽培を長年にわたって続けてきた努力の証。
本当に大切なものを、この先100年を生きる人々に伝えていきたい。
そんな熱い想いが身体に伝わるオリーブオイルである。

〈レシピ〉

◆白身魚のカルパッチョ

お好きな刺身用の白身魚に「100 TIMES」をかけ、塩をふりかけるだけで出来上がり!
ゆでたタコやイカ、シャコ、海老などもよく合う。

好みで甘酢やすし酢をプラスしたり、酢漬けの料理にオイルをかけてさっぱりとしたカルパッチョに仕上げるのもおすすめ。
添え野菜にもたっぷりかけて、ドレッシングとしても楽しみたい。

2026年7月11日

 

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