真夏の調理をお助け! ナスは油とレンジで下ごしらえ 玉締めしぼり胡麻油・国産なたね油・EXVオリーブオイルZefiro・国産柚子オリーブオイル
エッセイスト 湧月りろ
夏野菜が大好きで、毎日欠かさずキュウリやトマトを食べている。
生のままで十分においしい野菜は手軽にいくらでも楽しめてありがたいのだけれど、夏の主役のひとつとも言えるおナスは、どうしても火を入れて味わいたい欲求に駆られるのだ。
お漬物や塩もみでは出せない、加熱したときのあのやわらかい果肉の舌触り。
特に油と合わせた際のトロ~リとろけるような甘美な食感と言ったら……。
想像するだけで唾を飲んでしまう。
フライパンにたっぷりの玉締めしぼり胡麻油を敷いて、厚切りのおナスを弱火でじっくり焼く。
お味噌をぬった加茂ナス田楽なんぞ、もうたまらない。
しかし、おナスの旬でもある真夏の今、じっくり焼くというのがなかなか辛いのである。
私事だが、築100年弱の京町家を改装せずに住んでいる我が家は、エアコンのない台所の暑さが半端ない。気が遠くなるほどだ。
そこで、電子レンジを大いに活用している。
じっくり焼いたものに比べれば仕上がりに違いはあれども、あのトロ~リとした魅力は十分に引き出せる。
そのポイントこそ、油にあるのだ。
そのまま電子レンジで加熱すると、水っぽくなったり、色あせてしまうことがあるが、油がそのデメリットを防いでくれるし、味わいをグッとレベルアップしてくれる。
やり方も簡単で、ビニール袋にカットしたおナスを入れ、油を回しかけてよく振り、耐熱容器に移してレンジにかけるだけ。
袋を軽くもむようにして油をしっかりおナスにからめておくのがコツ。
やわらかくなったおナスは、そのまま味付けすれば一品料理になるし、料理の下ごしらえとして活用しても、火を使う時間が大幅に減らせるので手間が省ける。
さらに油を使い分けることで、和洋中の料理のバリエーションも楽しめる。
いつも電子レンジを活用している人も、していない人も、油との組み合わせを楽しみながらちょっと遊んでみてほしい。
〈レシピ〉
★基本のやり方
- ナスをひと口大にカットし、ビニール袋に入れて、好みの油(下記のバリエーション参照)をまわしかけたら袋の口を閉じてよく振る。ナス中サイズ3本なら油は大さじ2杯ほどがおすすめ。全体にまんべんなく油がからむよう、袋を軽くもむようにするとよい。
半割りして乱切りにするぐらいの大きさがムラなく加熱しやすい
- 耐熱の深鉢に移し、ラップ(シリコンラップがおすすめ)をかけて電子レンジへ。ナス中サイズ3本ならレンジ600wで4分ほど。様子をみながら好みのやわらかさに。
※加熱後、あら熱を取ると色あせを防げる。
このような透明感が出ればOK
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※油分のついた食品を電子レンジで温める際の注意点
油分はかなり高温になるため、電子レンジで温める際、ラップに油分が触れないように工夫を。
深さのある耐熱容器を使い、油分のついた食品に触れないようにラップをかけるとよい。
通常のラップより耐熱性が高いシリコンラップなら、なお安心。
百円ショップなどでも入手でき、繰り返し使えてとても便利!
油分を多く含むカレーシチューなどを温める際も気をつけたい。
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★油+味付けのバリエーション
♦玉締めしぼり胡麻油を使って……
・素麺にトッピングし、トマトと青ジソを添え、おだしドレッシングで夏らしいメニューに
・ぽん酢でさっぱりした和え物に
・味噌、みりん、しょうゆを混ぜた合わせダレで和えて田楽風に
・肉味噌と混ぜて刻みネギをふり、メイン料理に
・麻婆ナスも、この下ごしらえで時短に!
♦国産なたね油やあっさりなたね油を使って……
・生姜じょうゆで焼きナス風に
・つゆに浸して冷蔵庫で寝かせ、削りガツオをのせて煮浸しに
・トマトやキュウリと一緒にほんのりさんしょドレッシングで和えて夏野菜サラダに
・牛肉と炒めてニンニク入りの中華タレを加え、スタミナ中華料理に
・みりん、しょうゆを合わせたタレでサッと焼きからめれば日本酒にピッタリ!
♦ゼフィーロなどオリーブオイルを使って……
・バジルペーストで和えてイタリアンなひと皿に
・トマトソースパスタのトッピングに
・ピザにのせ、トマトとチーズを合わせて
・ベーコンやハム、ウインナーとともにケチャップをからめチーズをのせてトースターで焼けばお子様にも喜ばれる一品に
♦柚子オリーブオイルを使って……
・白味噌をぬって料亭風の一品に
・大根おろしとしょうゆであっさりと
・油揚げとともに出汁で軽く煮たり、お味噌汁の具に。下ごしらえ済みなのですぐ完成!
2025年7月30日