“美味しい油”ってこういうことか! 食べて納得、落花生油の味と香り 芳香落花生油
エッセイスト 湧月りろ
味にこだわるグルメな友人をして「山中油店さんのこの油は衝撃的だった」と言わしめたのが、落花生油だ。
彼女いわく、もうこの落花生油なしには暮らせないとのこと。
東京の都心に住む彼女だが、山中油店さんの名前を出したとたん、「あの美味しい落花生油のお店でしょ? いつも取り寄せてるよ!」と自慢げな返事が返ってきた。
ちゃんとした製法で丁寧に作られた油は、調味料と考えるほうがいいと私は思っている。
おいしい食材をしぼったエキスなのだから、そこには味わいがギュッと凝縮して詰まっているのだ。
落花生油はまさにそれを証明している油である。
ひとしずく舌にのせれば、誰もがきっと「なるほど!」と膝を打つことだろう。
煎ったピーナッツを噛んだときに広がる、あの香ばしさとクリーミーな味わいがそのまま感じられる。
ビール好きなら、これだけでビールが欲しくなることだろう。
“ピーナッツエッセンス”というイメージで使えば、いろんな利用法が見つかりそうだ。
おすすめの使い方を油店に尋ねてみたところ、落花生油への愛あふれる山中油店・女子チームの皆さんから美味しそうなアイデアを伝授していただいた。
サツマイモや里芋、カボチャなど、秋から冬に大活躍しそうなレシピに心が躍る。
ウキウキしながら毎日ひとつずつ試している最中だが、その中でも、おかみの浅原貴美子さんにお教えいただいた「エスニック風そうめん」は私の好みにドンピシャ過ぎて驚いた。
ちょうど今、皆さんのご家庭でもそうめんが余っている頃ではないだろうか。
我が家はまさに、つい先日までの異常な暑さで買い足したそうめんが、急な秋の到来によって食品棚で息をひそめている。
まずはこれをご紹介しよう。
おかみさんによると、エスニック料理に落花生油が本当によく似合うとのこと。
とはいえ、わざわざエスニック調味料を買ってくる必要はない。
味付けは家にある普通のカレー粉とめんつゆのみ、余ったそうめんと、ありあわせの具だけで十分。
私もとりあえず冷蔵庫を開けて、そこにあった具だけで作ってみたのだが、この落花生油の効果で”ごちそう感”のある味に仕上がってビックリ!
またそうめんを買い足しに行きたくなってしまった。
皆さんも、手元にある材料でやってみてほしい。
〈レシピ〉
◆エスニック風そうめん
【材料】2人分
そうめん:4束
ニンジン:1/4本
キャベツ:3枚
ピーマン:1個
きくらげ;2枚
海老:4尾
めんつゆ:大さじ2
カレー粉:小さじ1
落花生油:野菜炒め用・大さじ1、そうめん炒め用・大さじ2
塩:適量
1. ニンジン、ピーマン、きくらげは細切り、キャベツはざく切りにする。海老は殻をむいて背ワタを取っておく。
2. そうめんは茹ででしっかり洗っておく。
3. 温めたフライパンに落花生油大さじ1を入れ、野菜を入れてサッと炒め、塩ひとつまみで下味をつけ、皿に取っておく。
4. 空いたフライパンに落花生油大さじ2を入れ、海老を軽く焼いて皿に取っておく。
5.油が残っているフライパンに2のそうめんを入れて炒め、野菜と海老をフライパンに戻してカレー粉とめんつゆで味付けすれば出来上がり。
今回はこの野菜と海老を入れたが、具は好きなものを好きなだけ。
ニラ、ネギ、玉ねぎ、シイタケなどもいいし、豚肉やシーフードミックスなど好みで選ぼう。
カレー粉の量やめんつゆの塩かげんも好みで増減していただきたい。
カレー粉は、うっすらと風味が付く程度であっても、落花生油の香りが生かされて絶妙な味に仕上がるし、多めに入れても落花生油の香りがしっかりしているので負けない。
自分好みのバランスを見つけるのもまた一興。
このレシピは具を別に炒める方法を紹介しているが、このメリットは、具の火の通り具合を自由自在にコントロールできることと、野菜に下味をつけておくことで味の仕上がりが均一になることだ。
一見、面倒くさい気がするかもしれないが、じつは炒めやすくなるので、このほうが簡単。
ごく普通に、肉や魚を入れて野菜を入れ、そうめんを入れて味付けして仕上げてもまったく構わないので、気の向くやり方でどうぞ。
次回は山中油店・女子チームの皆さんからいただいたアイデア第二弾をお届けしよう。
2025年10月7日