油って美味しい!

接客をしていて一番うれしいのは、ご試食いただいたお客様から、「おいしい!」という声が上がるときです。

「油をお味見するなんて…」「味なんか、あるの?」
怪訝そうにおっしゃるお客様の表情が、油を口に入れた途端、パァーッと明るくなる!その瞬間がたまりません。

そうなんです。
油にはそれぞれ味わいがあって、それに合った調理をすることで、食材の風味がぐんと引き上げられるのです。

油のイメージは、時代により変遷がありました。

大正時代に日本初のサラダ油が発売されて以来、油を使って調理することは昭和初期まで、ハイカラ~おしゃれで先進的~だったのだそうです。
しかし、第二次世界大戦が始まると、油はだんだん手に入らなくなってしまいます。

そして戦後、栄養不足を解消するため「毎月1日 油の日」「油を積極的にとりましょう」等と油販組合がキャンペーンを実施しましたが、
その後の高度成長期以降、日本人の食生活は豊かになり、今度は「油は肥満の素だから控えましょう」という動きが生まれてしまいます。

平成の終盤、油の認識を大きく変える出来事がありました。
ひとつは、「えごま油が認知症の予防に効果的」というテレビ放送があり、翌日、食用油の棚からえごま油が姿を消すという大ブームが起こりました。
もうひとつ、「美容と健康にはオリーブオイル」という提唱が女性を中心にトレンドを巻き起こしました。

油は悪役の座から、一気に、正義の味方に駆け上がりました。

良い油を選んでとる時代の始まりです。

冒頭で申しましたように、今日もお客様から「美味しい!」の笑顔をたくさんいただきました。
「山中さんとこの油でないと、家族が食べてくれへんから、あかんのよ。」
常連さんのうれしいお声に支えられて、元気をいただいています。

「油って美味しい!」そんな声が大きく広がることを願っています。

2026年10月1日
浅原貴美子

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