お正月に欠かせないお餅は玉締めしぼり胡麻油と海苔&醤油で決まり! 【冬のパンフレット掲載レシピ】 玉締めしぼり胡麻油
エッセイスト 湧月りろ
師走と聞いたとたん、なんだかせわしない気分になる。
百貨店やスーパーではクリスマスケーキとおせち料理の予約合戦が佳境に入り、雑貨店にはカレンダーやスケジュール帳がズラリと並ぶ。
つい昨日まで紅葉の美しさに見とれていたというのに、やり残していることが急に頭にポン、ポンと浮かび上がってきて焦る。
そんな例年通りの毎日が始まった。
お正月の準備といえば、お餅が欠かせない。
皆さんはどんなお餅を用意するだろうか。
私はここ数年、お餅屋さんでつきたてのお餅を購入している。
予約しておいたお餅を大晦日に引き取りに行くと、まだ温かみの残るやわらかいお餅を渡してもらえる。
家に持ち帰って、まずはひとつ、つきたてを食べてみる。
この時のお餅が一番おいしいのだ。
昔はどこの地域でも、お餅つきをしていたものだ。
臼と杵を持っている家に親戚や近所の人々が集まって、みんなでお餅つきをする。
小さな子どもたちも、近所のおじさんに手を添えてもらって重い杵を何度か振り上げる。
アツアツのお餅を取り出したら、待ってましたとばかりに一斉に皆で丸める。
地域によっては切り餅にするところもあるだろう。
よもぎや粟を混ぜ込んでついたり、用意しておいた餡子を包んでその場で食べたり。
さぞかし楽しいひと時だったに違いない。
違いない……というのは、じつは私は体験したことがないのである。
幼稚園の行事で、杵を三回ほど振り上げたような記憶はあるが、それ一度のみだ。
私の幼い頃は近所の何軒かが集まってお餅つきをしたと聞くが、私がちょうど物心ついた頃、我が家に「餅つき機」がやってきた。
おそらく近所同士での餅つきが廃れてしまったのが先で、ちょうどそのタイミングで世に「餅つき機」なるものが登場したのだ。
我が家が購入した餅つき機は1971年にタイガー魔法瓶が新発売した「自動スチーム餅つきSM型」で、「蒸す」「つく」が一体となっている点は業界初なんだとか。スチームで蒸す機能は特許を取得したらしい。
両親ともに新しい電気製品が好きな人で、我が家にはまだ一般家庭に普及していないような珍しい電気製品が突然やってきたりする。
この機械もしかり、家庭用の機械でお餅をつくなんていったいどんなしくみだろうと家族全員が興味津々で見守ったことをなんとなく覚えている。
小さなお鍋のような器の中で、それはもうびっくり仰天するほど激しくお餅がもんどりうって暴れ出し、目が回るほどぐるぐる回転する様子に思わず皆で大笑いした。
昔の電気製品はシンプルで丈夫にできているらしく、なんと50年以上たった今でもちゃんと使用できて、美味しいお餅がつき上がる。
時間に余裕があれば、今もこの機械でお餅を作ることがある。
つき上がったお餅を、手を真っ赤にしながら急いで丸める作業も私は好きだ。
機械で手軽にできるのもありがたいけれど、今でもやっぱり、臼と杵を使って大勢でにぎやかにお餅つきをやってみたいものだと思う。
きっと人々はこんな場で触れあい、笑いあい、ゆるくも大切な繋がりを保ちながら、新年の準備とともにコミュニティを作っていたのだろう。
失くしたくない習慣である。
さて、焼いたお餅に醤油と玉締めしぼり胡麻油をかけ、海苔で巻くという食べ方を山中油店さんに教えてもらった。
これがもう、なんとも香ばしくてたまらない。
海苔と胡麻油の相性は文句なしの美味しさだし、ふんわりとしたゴマの香りがクセになる。
「美味しすぎて止まらないから、困るわぁ~」と、お客様から苦情ならぬ嬉しい悲鳴が上がったというエピソードにも頷ける。
すぐに食べたい時に便利な電子レンジでのお餅の調理法もご紹介するので、ぜひ新年に活用していただきたい。
《レシピ》

◆やめられない! お餅
焼いたお餅にお醤油、玉締めしぼり胡麻油をかけ、海苔を巻いていただく。
◆レンジで簡単! ゴマ香る海苔醤油餅と、チーズ餅
全体を水で濡らしたお餅(パックのものなど、普通の硬さのもの)を小皿にのせ、醤油(小さじ1弱)&水(小さじ1弱)をかけて電子レンジへ。
600wで1個50秒ほど。
いったん取り出し、お皿に溜まっているお醤油をお餅の両面につけ、お餅を裏返しにして約20秒強。
この時、レンジの中をしっかり見張り、ふくらみ出したところですぐ止めること。
玉締めしぼり胡麻油をかけ、海苔を巻いてどうぞ。
※チーズ餅は、上記の方法でお餅を裏返した後、スライスチーズをのせて再びレンジへ。この場合は25~30秒ほどで出来上がり。同じく、ふくらみ出したらすぐ止めること。
玉締めしぼり胡麻油をかけ、海苔を巻いて、チーズがとろとろのうちに食べよう。
チーズ&醤油&海苔&胡麻油の組み合わせが最高!
2025年12月2日