かけるだけで“トスカーナの豆料理”になる、あっという間のレシピ 【冬のパンフレット掲載レシピ】 EXVオリーブオイル JIN
エッセイスト 湧月りろ
しばらく海外で暮らすとしたら、どこがいい?
そう訊かれたら迷いなく「フィレンツェ」と答える。
ルネサンス文化の中心地として豊かな芸術を育んできた、明るいレンガ色の美しい街。
京都市とは姉妹都市にもなっている歴史情緒あふれる街だ。
少しでいいから、こんな芸術的な街並みにそっと心を溶け込ませながら暮らしてみたいものである。
そんなフィレンツェを州都に持つトスカーナは、イタリアの中部にある大きな州。
絵本に出てくるような美しい丘陵地や田園風景でも知られ、西側の海岸線は真っ青な海が広がるビーチリゾートとしても人気だ。
変化に富んだ自然の中で育まれたオリーブオイルやワインもよく知られている。
「JIN」というエキストラヴァージンオリーブオイルは、じつはJINさんというイタリア在住40年の日本人のお名前から名付けられた。
6年前からオリーブ農家としての挑戦を始めたJINさん。
「素朴なオイルを守りたい」という思いでフレッシュな製品作りに情熱を注いでいる。

口に含むと、若草のような香りとグリーンテイストが広がり、ピリッとくるスパイシーさとほのかな苦みも併せ持つ。
どんな食材でも合わせやすいクリーンな印象のオリーブオイルだから、キッチンに常備しておけば何かと活躍してくれそうだ。
そこでさっそく、山中油店で教えてもらった「あっという間のお豆さんレシピ」を実行してみた。
袋入りのミックスビーンズをお皿にあけ、JINと粗塩をかけるだけ。
ほんとに、あっという間だ。
なのに、おお! ちゃんとイタリアンの一品料理になっているではないか。
さらに黒コショウを加えたり、イタリアンハーブミックスをパラリとかけたり、塩をハーブソルトにするだけでインパクトが変化し、これは相当楽しい。
なんて手軽でストレートな味わい方だろう。
そもそもトスカーナでは食卓に豆がよく登場し、オリーブオイルを使ってさまざまに料理することが多いという。
ステーキのつけ合わせにも、上記のような豆のオリーブオイルがけが添えてあるそうだ。
豆の種類もとても多くあり、スープやサラダ、パスタに煮込み料理にと、豆料理の幅は広い。
日本でももちろん、豆は昔から身近な食材。
かつてはどこにでも乾物屋があり、どこの家庭でも乾燥豆を常備していたものだった。
食卓には甘く煮た豆や、ひじきと炊き合わせた大豆、海老豆などが、メイン料理のかたわらにいつもあった。
豆腐や味噌など、豆を加工した食品は、今も変わらず日本人の食生活には欠かせない存在ではあるけれど、昔ながらの煮豆を口にする機会は減ってしまったように思う。
しかし近年は豆のヘルシーさがじわじわと注目を浴び、豆の存在感が再び大きくなっている。
蒸した豆や水煮の豆パックがスーパーでも豊富に並んでいるし、ヨーロッパでよく食されているレンズ豆のように、水で戻さずとも調理できる乾燥豆も手に入りやすくなった。
食物繊維が多く、たんぱく質も摂れる豆。
美味しいオリーブオイルさえあれば、こんなに簡単に、おしゃれな豆生活ができる。
ちょっと覚えておけば、豆がもっと身近になりそう。
改めて書くまでもないが、レシピは以下。
ぜひ、さまざまな豆で気軽に試していただきたい。
《レシピ》
◆あっという間のお豆さんレシピ
市販のミックスビーンズを皿に入れ、エキストラヴァージンオリーブオイル「JIN」をかけるだけ!

お好みで、以下を加えるのがおすすめ。
◎塩・コショウ
◎ハーブソルト
◎イタリアンハーブミックス etc.
2025年11月20日