
その昔、油売りは柄杓(ひしゃく)から、油をたら~りたらりと流し入れながら、お客さんと世間話に花を咲かせていました。
その様子があまりにものんびりして見えることから生まれたのが「油を売る=怠ける」という言葉です。
昨今の買い物は一言も話さず済ますことが出来る店が多くなりました。
でもやっぱり専門店ではゆっくりお話しながら納得いく商品をお求めいただきたい…
お客様の満足を心より望む油売りが油を売っております。どうぞお立ち寄りくださいませ。
2009年11月11日
大山崎 エゴマの灯 復活の日!!
11月8日の日曜日、京都府大山崎町の公民館で
油の歴史に新しい灯が点されました。
このお燈明は、大山崎町の方々が、大山崎の畑で収穫したエゴマを
大山崎で搾油し、そしてその油に灯を点されたものなのです。
大山崎と油の関わり、それは離宮八幡宮様のご由緒にも、
—貞観年間、時の神官が神示を受けて
「長木(ちょうぎ)」という搾油器を発明し
荏胡麻(えごま)油の製油を始めました— とあります。
シソ科の一年草である荏胡麻は、
その実(種)が胡麻のようであることから「エゴマ」と呼ばれていますが、
もともと「荏(え)」と言う名前で、古くから食用にされてきました。
モノの名前は単純であるほど古いものだという説があります。
「目」「手」など、一文字で表せるものが古くから使われている言葉の例です。
そうすると「荏」は、古くから生活に関わってきた植物だと考えられます。
大山崎は、今から1150年前、荏胡麻油が日本で初めて搾油された地であり、
室町時代には油座がおかれ、
全国の搾油と販売の独占権を握るようになったのです。
さて、現代の大山崎の話に戻ります。
これらのエゴマは、春の終わりごろに種まきをされ、
班ごとに当番をきめて、暑い夏の日にも水遣りや雑草抜きをされるなど、
手塩にかけて育ててこられ、先日収穫されたエゴマです。
それを特製のこの搾油機で搾り出します。
(アダピスのとーじ・まサトシ氏制作)
圧をかけて油を搾り出しまが、この細い管にはストローが使われています。
そしてその油に灯が点されたわけです!
12月に離宮八幡宮様で御献灯が行なわれます。
油の神様も、大山崎の人々が丹精こめて育てた荏胡麻の油でのお燈明を
喜んでくださるだろうな、と今からワクワクしています。
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