油屋のふたことみこと
その昔、油売りは柄杓(ひしゃく)から、油をたら~りたらりと流し入れながら、お客さんと世間話に花を咲かせていました。
その様子があまりにものんびりして見えることから生まれたのが「油を売る=怠ける」という言葉です。
昨今の買い物は一言も話さず済ますことが出来る店が多くなりました。
でもやっぱり専門店ではゆっくりお話しながら納得いく商品をお求めいただきたい…
お客様の満足を心より望む油売りが油を売っております。どうぞお立ち寄りくださいませ。

椿油とつげの櫛(くし)〜その4

櫛の話が続いたので、椿油の使い方をご紹介しましょう。

その昔、日本髪を結っていた頃は、もちろんシャンプーもリンスもなく、
洗髪をすることがほとんどありませんでした。

では、どのような方法で昔の人はヘアケアをしていたのでしょうか??

そこで活躍していたのが、椿油です。

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椿油を地肌にすり込み、髪に馴染ませます。
やはり椿油でお手入れしたつげの櫛を使い、丁寧に梳きます。
その時に使われていたのは、6月11日に「椿油とつげの櫛〜その1」でご紹介した
「とぎくし」だったと言われています。

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椿油は皮脂に近い成分を有し、保湿効果が高いことで知られています。
地肌にすり込むことによって、汚れやフケを浮かし、
それを静電気の起こらないつげの櫛で取り去っていたと考えられます。

しかし、昔の人なら誰もが、椿油やつげの櫛を持っていたわけではありません。
どちらも、庶民には高嶺の花、簡単に手に入るものではありませんでした。

山中油店のある辺りは、平安時代には、今の御所に当たる内裏(だいり)があったところです。
千年も前に、この地で、皇族や貴族の女性達が、貴重な椿油やつげの櫛で
「大垂髪(おすべらかし=お雛様のような髪型)」の長い黒髪を守っていたのでは…
と思うと、ここ京都で、あぶらの歴史、ロマンを感じます。

さて、現代人の私達は、ヘアカラーやパーマで髪が傷みがち。
そんな私達の間でも、椿油は大活躍です。
使い方は簡単。
シャンプーやリンスで洗髪した後、お風呂上りにまず、髪をタオルドライ。
髪の長い方は、軽くドライヤーを当てておきます。
半乾きの状態で、まず地肌にお手入れ用椿油を1〜2滴すり込んで、
指の腹で、しっかりマッサージします。
その後、少し椿油を足して、毛先まで馴染ませます。
それから髪を乾かします。
艶やかでしっとりした髪が保たれますよ!