油屋のふたことみこと
その昔、油売りは柄杓(ひしゃく)から、油をたら~りたらりと流し入れながら、お客さんと世間話に花を咲かせていました。
その様子があまりにものんびりして見えることから生まれたのが「油を売る=怠ける」という言葉です。
昨今の買い物は一言も話さず済ますことが出来る店が多くなりました。
でもやっぱり専門店ではゆっくりお話しながら納得いく商品をお求めいただきたい…
お客様の満足を心より望む油売りが油を売っております。どうぞお立ち寄りくださいませ。

油の乾燥とは?

「家でてんぷらに使った油を板塀に塗ったら、蟻がたかるわ、乾かないわで大変でした」と、おっしゃる方が時々おられます。蟻がたかったのは、おそらく糖分の混ざったものを揚げられた油だったのだと思いますが、乾かなかった点については油の性質によるところが大きいので、その点をご説明します。

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まず、油の乾くというのは、湿ったものが水分をなくし乾燥するのとは異なり、脂肪酸の酸化重合という科学反応により油が硬化することを言います。したがって、ドライヤーで早く乾かそうとしてもあまり効果はありません。
その油の乾く速さにより、油を乾性油、半乾性油それと不乾性油に分類しています

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乾性油には、木の塗装をはじめ、提灯や番傘用として使われてきた荏油、亜麻仁油、桐油などがあります。半乾性油には、その昔はお灯明用に 現代では食用としてよく使われる菜種油、

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不乾性油としては昔から女性の髪のお手入れに欠かせない椿油が代表的です。
ただし、油の原料となる植物が持つ、自然な抗酸化物質の含有量の違いや、精製(食用にするためには、搾った油から匂いや色、またろう分などを取り除きます)の度合いにより乾燥速度は変化します。

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うちの社長は「昨今の家はできたときが一番良いが、昔の家はできてから良くした」と、いつも言います。これは、昔の人は、油の特性をよく知っており、新築の家では、はじめは木に浸透していく菜種油を何年間も塗り、木の中まで油を染み込ませ 防腐、防虫をして、その後に初めて荏油などの乾性油を表面に塗り、年月とともに家をより美しく仕上げていったそうです。

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古い町家でもぴかぴかに光った柱や、水屋があるのは、そのように上手に油を使いながら、毎日のように乾拭きをしたおかげなのです。