油屋のふたことみこと
その昔、油売りは柄杓(ひしゃく)から、油をたら~りたらりと流し入れながら、お客さんと世間話に花を咲かせていました。
その様子があまりにものんびりして見えることから生まれたのが「油を売る=怠ける」という言葉です。
昨今の買い物は一言も話さず済ますことが出来る店が多くなりました。
でもやっぱり専門店ではゆっくりお話しながら納得いく商品をお求めいただきたい…
お客様の満足を心より望む油売りが油を売っております。どうぞお立ち寄りくださいませ。

高いオイルはおいしいオイル?(オリーブオイル編)

油に限らず、モノの値段はピンからキリまでですね。

「エキストラヴァージンオリーブオイル」として販売されているものも、調べてみましたら、数百円のものから、何万円もするものまであって、油の専門店としても、驚くばかりです。

高いオイルは絶対に美味しいのでしょうか?

山中油店が直輸入するオリーブオイルは、250mlサイズで1,728円~(イタリア・シチリア産 Rustico)ですので、決してお安くありません。

原料となるオリーブは、自社農園、または、契約農家が栽培したものだけを使用し、ちょうどよい頃合いを見て収穫してすぐに、清潔な工場で搾油し、品質については検査と管理がしっかり行われているものばかりだからです。

当店のオリーブオイルで高いものには、Le 4 Regine 500ml   で、4,590円。

産地はイタリア北部・リグーリア州です。

こちらがこの生産者さんのオリーブ畑です。

タジャスカ種という、この地域の特産品種のオリーブで、とても繊細な味わいを醸し出します。

オリーブの木は、山にへばりつくように並んでいます。

その山の中に入ってみると、こんな感じです。

かなりの傾斜でオリーブの木を育て、収穫するのに、大変な労力を要しますので、これが少々お高くなる理由の一つです。

こちらでは畑に標高差があるため、適切なオリーブ収穫期を把握するのに、何人もの人が歩いて見回って管理をしていました。

現在、若い地元のITベンチャーと組んで、畑(山)の中のポイントとなる箇所にセンサーを置いて、収穫期を予測することを研究中だそうです。

 

山中油店では、イタリア全土とアメリカ・カリフォルニア州からたくさんの種類のオリーブオイルを輸入していますが、どれも現地に赴き、生産者の方と会い、畑や工場を見せていただき、テイスティングさせていただいて選んでおります。

テイスティングする際には、日本でどんな使い方をしたらこのオリーブオイルが生き生きと輝いてくれるかしら?と思いを馳せ、また味のバリエーションもバランスよく選ぶようにしています。

しかし、まず一番大切なのは、オリーブを愛していて、信頼関係が保てる方たちが正しい方法で作っておられること。

私たちの役目は、そんな生産者さんの思いを皆さまにお伝えすること。

お値段も様々ですが、当店の商品は、どれも自信を持ってお勧めできるエキストラヴァージンオリーブオイルです。

店頭では、お味見いただいて、お気に召したものを選んでいただけます。

また、お好みをお伺いして、お客様に楽しんで使っていただけるオイルのご提案をさせていただいています。

オリーブオイル選びに迷われたら、ぜひ、ご相談ください。

お好みの1本が見つかって、お客様の食卓で、笑顔が広がれば、こんなうれしいことはありません。

「サラダ油」っていったい何なんでしょう??

「サラダ油」はどんな油のことを言うのか、ご存じですか?

大正13年(1924年)、現在の日清オイリオが「日清サラダ油」の販売を始めたのが日本最初のサラダ油です。
その頃、油を使ったお料理と言えば揚げ物でしたが、西洋では生野菜にドレッシングをかけてサラダを食べる文化がありました。
ドレッシングの原料は、油と塩とお酢。
生食でも使用できる油として登場したのです。

ちょっと難しい話になりますが、実は「サラダ油」には「定義」があるんですよ。
現在「サラダ油」というのはJAS(日本農林規格)で、「0℃の温度で5.5時間清澄であること」とされています。
すなわち、低温でも濁ったり固まったりせず、さらさらした油であること。
もともとはサラダ用の食用油として開発されたものでしたが、JAS規格として定めるときに「サラダ油」の名称をそのまま油の等級を示す用語として用いたのです。

ちなみに、ドレッシングと並んでサラダに使われるマヨネーズは、1925年に誕生、キューピーマヨネーズが発売されました。

サラダ油の原料となるのは、
大豆・なたね・とうもろこし・ひまわり・サフラワー・こめ(米ぬか)など。

なお、当店では、サラダ油の取り扱いはございません。

圧搾法のみで搾った、おいしい油、安心してお使いいただける油の数々を取り揃えております。

 

油店の近くには、厳選された揚げ油でとんかつやエビフライを召し上がっていただける

カフェ「綾綺殿(りょうきでん)」がございます。

築200年の山中油店と築100年の綾綺殿で、ほっこりした時間をお過ごしいただければ幸いです。

高いオイルはおいしいオイル?(食用油編)

「油を選ぶ基準は?」と言うと、プロのお料理人の方からも、明確な答えが返ってくることが少ないのがちょっと残念です。

皆さんはどんな基準で選んでおられますか?

値段? 銘柄? 体にいいと言われているから? 製法まで考えて?・・・

 

山中油店の油は、他より少々高めです。

例えば揚げ油。

人気の「あっさりなたね油」は、その名の通り、あっさり、さっくり揚ります。

1升ペットボトル(1.8リットル・1650g)で、1,782円。市販のものと比べると3-5割増でしょうか。

 

こちらがお高いのには理由があります。製法が違うのです。

山中油店でおすすめしている揚げ油(あっさりなたね油・圧搾なたね油・なたね赤水・デラックスコーン油・コーンオイル・国産なたね油)は、すべて「圧搾法(あっさくほう)」のみで搾られています。原料である、遺伝子組み換えでないナタネやトウモロコシ胚芽(コーンオイルは不分別)に物理的に圧力をかけ、油分を搾り出す方法です。

 

では、市販の油は、なぜそれよりお安くできるのでしょうか。

圧搾法だけでは、その搾りかすにまだ油分が1-2割残っています。この搾りかすに化学的な溶剤(ノルマルヘキサン)を加えると、油分が溶剤に移行します。油分を含んだ溶剤を蒸留装置にかけ、揮発性の化学溶剤と油分とに分けて、油をとります。これを「抽出法(ちゅうしゅつほう)」と言い、圧搾のあとに抽出を行うことを「圧抽法(あっちゅうほう)」と呼びます。

ここで使う化学溶剤は、食品添加物として認められていますが、製造工程で使われ、除去されるので、表記されません。

 

化学的に搾り出した市販の油と、自然に搾られている当店の油とでは、味・持ち・揚げた時のにおいに差が出ます。

 

山中油店から歩いて1-2分のところにある「カフェ 綾綺殿(りょうきでん)」では、油店のおいしい 圧搾法の揚げ油を使った定食が召し上がっていただけます。

ここでお食事された方が驚かれるのは、

「サクサクしてる!」「揚げ物食べても。胃もたれしない!」「揚げ物屋さんの嫌な臭いがしない!」

一日にたくさんのお客様に来ていただきますが、開店直後でも、閉店前でも、同じ感想を頂戴しています。油の持ちがいいので、結局は経済的かもしれません。

 

おいしさは値段だけでは測れません。

でも身近にある油、ほとんど毎日使う油に、ちょっと注目していただけたら、油の専門店はうれしく思います。